上紋峠の周辺で進む国内最大規模の風力発電計画を追う【第4回】
建設主体のGPIに直接取材
「反対を押し切る事はしない」

2026年08月号

建設候補地の上紋峠の周辺には国有林が広がる。標高8百~9百メートル、数百ヘクタールの山岳地帯に最大50基もの風車を設置する計画。事業を進める場合、保安林の指定解除などの手続きも必要になる


士別市と滝上町との境界にある上紋峠の周辺で進む、陸上型では国内トップクラスの「最大高さ150~222メートルの風車50基、合計30万キロワット」の巨大風力発電所(風発)の建設計画。事業者の㈱グリーンパワーインベストメント(GPI)は今年になり、滝上町内で2回の説明会を開催し、9月には環境影響評価(アセスメント)の第一段階となる「配慮書」を公表する予定だ。不透明な中東情勢などの下で建設コストが急上昇し、再エネ事業の将来性に黄信号がともる中、本当に北海道内陸部での巨大風発事業は可能なのか──。6月中旬、東京のGPI本社を訪れ、担当者らに直接疑問を投げかけた。  (ルポライター・滝川 康治)

「風況調査」など基に立地選定知らなかった“風発の先人”の話”


 巨大風力発電所(風発)の建設計画を進める㈱グリーンパワーインベストメント(以下GPI。坂木満代表取締役社長・本社=東京都港区)は2004年、総合商社トーメン(現・豊田通商)の元役員で米国での風発事業に携わった堀俊夫氏(故人)らが設立した。
 同社は日本における再生可能エネルギー(再エネ)企業として古株の存在で、数千キロワット級の大型風車を何十基も林立させ、中央の送電網に売電して利益を上げるシステムを構築してきた。
 現在の社員数は3百人ほど。風力や太陽光の発電所を操業し、近年は石狩湾新港の洋上風発や沿岸部では国内最大級のウィンドファームつがる(いずれも11~12万キロワット級)などの商業運転を始めている。
 赤坂の一等地にあるビルのワンフロアがGPIの本社。今回の取材では、発電所設置の計画づくりなどを担う事業開発本部でグループ責任者を務める鳥海陽平さんと瀬野太郎さん、対外連携推進・運営室長の力石晴子さんが対応してくれた。

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上紋峠の周辺では2023年11月から「風況調査」が続いている

取材に応じた事業開発部門の鳥海陽平さん(左)と瀬野太郎さん

上町内で開かれた環境アセス説明会。「風発はそんなに儲かるのか?」との質問も(4月16日)

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