道警不祥事から考える〈85〉
当て逃げ「注意」未発表

2026年08月号

交通違反の捜査に伴って作成された文書には、当て逃げを意味する文言が明記されていた(北海道警察が開示した『事件指揮簿兼犯罪事件処理簿』)
※一部墨塗り処理は道警

警察職員が事故申告せず
逃走公文書は「勤務規律違反」扱い

北海道警察の職員が当て逃げの疑いで捜査を受けながらも事件の公表を免がれ、内部の制裁も不自然に軽い「注意」措置で済まされていた――。道警への情報公開請求でわかった事実だ。事件の概要を知るには、一定期間の不祥事の記録を入手した後、各件の捜査の記録や発表の記録を追加入手しなくてはならなかった。2段階の開示請求で明るみに出ることになった事案は、当然ながらその請求がなければ「なかったこと」になっていた可能性が高い。
取材・文=小笠原 淳

2段階請求で初めて判明


 北海道警察で本年最初の四半期(1―3月)に処分などがあった不祥事が計19件に上ることは、前々号の誌面で報告したばかり。同時期は懲戒処分が一件も記録されず、19事案すべてを懲戒よりも軽い制裁の「監督上の措置」が占めていた。
 公文書開示請求であきらかになった右の情報をもとに、本稿記者はさらに2度めの開示請求を試みた。求めた文書は、先の19件の中に事件捜査の対象となった事案が何件あるか、及び報道発表された事案が何件あるかがわかる文書。5月中旬の文書特定を経て同21日付で改めてそれらの開示を求める手続きをした記者は、月を跨いだ6月上旬に対象文書の写しを手にすることができた。
 開示されたのは、北見方面本部交通課が捜査した交通違反を記録する2種の公文書・計4枚。2月10日夕に発生したというその交通事故は、いずれかの方面本部に勤務する職員(非・警察官)が起こした物損事故で、当事者は3月25日付で「警察本部長注意」となっていた。開示文書の1つ『交通法令違反事件簿』によると、職員の容疑は道路交通法違反(安全運転義務違反、及び事故不申告)。もう1つの文書『事件指揮簿兼犯罪事件処理簿』の「事案概要」欄には、こうある(※ 原文の一部誤記を修正)。
《被疑者は普通乗用自動車を運転中、駐車場内に駐車中の車両に自己の車両を接触させたが、最寄りの警察署の警察官に届け出することなく現場から立ち去った》

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事故の現場は明かされていないが、開示文書の限りでは北見方面管内で発生した可能性が高い(北見市の北海道警察北見方面本部)

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