「札幌の銭湯女子」大沼有加さんに訊く
勤務先「奥の湯」で朝風呂を企画
若い世代に銭湯文化を伝えたい

2026年07月号

「銭湯好きな若い人達のコミュニティを札幌でも広げていければ」と話す大沼さん
(奥の湯のフロントで)

札幌市北区の銭湯「奥の湯」のスタッフ、大沼有加さん(32)が地域の活性化につなげようと4月中旬から日曜日限定の「朝風呂」を企画し、利用者に喜ばれている。大学2年の時に銭湯と出会い、大の銭湯好きに。将来は札幌で銭湯を経営しようと卒業後は東京で修業を続け、7年前にUターン。「奥の湯」で働きながら目指すのは「銭湯文化に親しむ若い世代を増やしていくこと」。8月下旬から9月上旬にかけて北海道の銭湯をテーマにしたイベントに挑戦する大沼さんに、後継者不足や設備の老朽化などで減少する銭湯をどう復活させるかを訊いた。

(武智敦子)


生活に根付いた魅力


 ──大沼さんと銭湯との出会いは。
 大沼
 銭湯に関心を持ったのは、モデル活動をしながら将来は銭湯を継ぎたいという夢を持つ女の子の存在を知ったのがきっかけでした。アイドルオーディションのようなものを見て「あ、こんな子がいるんだ」と。それまで銭湯を利用したことがなく、大学2年の時に初めて行ったのが南区の「ニュー銭湯 澄川温泉」でした。大学に入学してから一人暮らしを始めたので、お金もそんなになかったけれど(笑)、それから週に2~3回は銭湯を巡るようになりました。
 ──初めて利用した澄川温泉は今も営業している。
 大沼
 当時はお母さんと娘さんで切り盛りしていましたが、2018年に廃業しました。とても設備の充実していた銭湯で、掃除が行き届き雰囲気も明るい。広くて浴槽が幾つもあり賑わっていました。
 特に娘さんはとても熱心で、改装にあたり東京や大阪で勢いのある銭湯を調べたり、現地を訪れるなどして各地の銭湯のいい所を取り入れていたそうです。お湯を沸かす燃料は廃油を使っていましたが、廃油を調達して届けてくれる人が亡くなったので、今後、設備機器が不調になったらどうするのかと考えたようです。多くの銭湯は耐用年数を超えた設備を修繕しながら使っているので、娘さんは、まだ余力のあるうちに廃業したかったのだと思います。

(おおぬま・ゆか)1993年札幌市出身。札幌市立大学デザイン学部卒業。大学2年の時に銭湯の魅力を知り卒業後は東京の銭湯で働く。2019年に札幌に帰省し北区の「奥の湯」に勤務。4月19日から日曜限定の「朝風呂」をスタート。8月30日~9月6日には札幌芸術文化交流センター・SCARTSで「北の湯文化展~湯けむりの向こうから~」(北の湯けむり案内隊主催)を開催予定。札幌市在住。32歳

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常連客が作ってくれた朝風呂のチラシ。

裏のイラストは大沼さんが描いた

4月中旬から日曜日限定の「朝風呂」を始めた「奥の湯」

(おおぬま・ゆか)1993年札幌市出身。札幌市立大学デザイン学部卒業。大学2年の時に銭湯の魅力を知り卒業後は東京の銭湯で働く。2019年に札幌に帰省し北区の「奥の湯」に勤務。4月19日から日曜限定の「朝風呂」をスタート。8月30日~9月6日には札幌芸術文化交流センター・SCARTSで「北の湯文化展~湯けむりの向こうから~」(北の湯けむり案内隊主催)を開催予定。札幌市在住。32歳

常連客が作ってくれた朝風呂のチラシ。

裏のイラストは大沼さんが描いた

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