札幌の人気フットサルスタジアムに異変【2】
突如、奪われた職場

2025年05月号

記者の取材に応じたセブンスギアのアルバイトスタッフたち
(4月4日午後、札幌市内)

乗っ取り騒動後に追い出されたアルバイトの若者が本誌に告発

先月号で報じた札幌市東区にある「フットサルスタジアム蹴(しゅう)」の乗っ取り騒動の続報だ。昨年9月、ここを運営する株式会社セブンスギアの業務を取り仕切っていた常務取締役が突如解任され、代表取締役が交代する中で、蹴や関連施設で働いていたアルバイトや正社員の大半が説明がないまま出勤停止となり、当時からこれまでの給料が払われていないことが取材で分かった。新たに代表取締役となった人物が差押債権取立請求訴訟で一昨年に札幌地裁から支払い命令を受けていた不祥事も明らかに。市内で屈指の人気を誇るフットサル場でいったい何が起きているのか──。

(本誌編集長・工藤年泰)

社員やアルバイトの若者達を襲った予期せぬ「会社の異変」


 既報のようにセブンスギアでは、フットサル場以外にも不動産賃貸業を手がけ、フィットネスジム「Blaise」(ブレイズ)」も展開。2012年からはスポーツとカルチャーを無料で体験できるイベント「スポカルSP」も開催してきた。関係者によれば、昨年10月時点での同社の従業員はアルバイトと正社員を合わせて総勢13名で、アルバイトが10人を占めていた。
 多くがフットサル場の維持管理をはじめ大会の企画、利用客の対応に携わっており、アルバイトの若者たちが実質的に同社を支えていたと言っていい。
 昨年10月までフットサルスタジアム蹴でのアルバイトに汗を流していた男性2人が、記者の取材に応じたのは3月26日午後と4月4日。2人ともサッカーやフットサルが好きで、ひとりは小さい頃から蹴を利用しボールを追っていたという。ふたりとも大学に入ってからセブンスギアに採用してもらい、スタジアムの清掃や利用者のサポート、企画の運営などに携わっていた。


「ほんとうにYさんには悲しい気持ちです」
 こう話すのは、2年前から蹴で働いているという21歳の横井さん(仮名)だ。小学校1年の時から通っていた馴染みの施設。大好きなフットサルを仕事にできるとあって、いつもやり甲斐を感じていたという。
 横井さんが口にした「Yさん」とは職場の先輩にあたる人物。今回の役員改選で代表取締役になった前川英紀氏側についた蹴のスタッフだ。

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「フットサルスタジアム蹴」の外観(札幌市東区)

上松氏が窃盗容疑で告訴した件では、東警察署がひとまず2台の車を「押収品」として確保し、3月17日に同氏へ返却されたという

蹴ではフットサル用のフローリングコートも備える

「フットサルスタジアム蹴」の外観(札幌市東区)

上松氏が窃盗容疑で告訴した件では、東警察署がひとまず2台の車を「押収品」として確保し、3月17日に同氏へ返却されたという

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