告発・陸の蟹工船〈10〉
牧場 労災不正受給か
知的障碍のある男性たちは水道や冷暖房のないプレハブ小屋での寝起きを強いられ、無報酬で苛酷な牧場労働を続けていた(恵庭市内)
当事者不在の休業補償申請
恵庭・障碍者虐待で新事実
本誌など地元報道が伝え続ける障碍者虐待問題で、新たな疑惑が持ち上がった。恵庭市の牧場で起きた事故で、怪我をした従業員に無断で労働災害が申請され、牧場主らが不正に休業補償などを受給していたという。札幌で続く裁判では牧場側が元従業員らを「労働者でない」と主張しているが、労災申請の書類では「労務者」扱いに。事実を掘り起こした訴訟代理人らは、憤りとともに訴える。「障碍者を不正の道具にする行為は、到底許されない」
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。56歳
怪我人を「道具のように」
作業の報酬は、裁判では「お菓子やジュース」とされていたが、労災申請の書類では「賃金」が発生したことになっている(地元労働基準監督署が一部開示した資料)
作業の報酬は、裁判では「お菓子やジュース」とされていたが、労災申請の書類では「賃金」が発生したことになっている(地元労働基準監督署が一部開示した資料)
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