
市有施設の“完全LED化”を目指す札幌市
札幌市内の“完全LED化”に暗雲?
国際条約により蛍光灯の製造と輸出入が禁止される来年末に向け公共施設照明の更新が喫緊の課題となる中、「市有施設照明LED化事業」を7月1日に告示し、市内の“完全LED化”に向けて大きく動き出した札幌市。だが、このプロポーザル入札をめぐって、多くの自治体のLED化を手がけてきた札幌生まれの大手企業が門前払いを受け、同社の「入札妨害」を訴える動きに関連して8月下旬に予定されていた優先交渉権者の公表が延期される異例の事態になっている。約36億円の巨大プロジェクトでいったい何が起きているのか──。 (本誌編集長・工藤年泰) |
今回、告示された「札幌市市有施設照明LED化事業」は、対象施設1059カ所、灯具総数7万6634点にものぼる大規模なプロジェクト。事業予算約36億円を見込み、2030年度までに市有施設の“完全LED化”を目指す計画だ。
「これまで本市では脱炭素対策を含めて市内のLED化を進めてきましたが、目標通りにはなかなか進まず、現在の進捗としては全体の50%程度に留まっています。このような中で、ここに来て2027年問題が差し迫ってきたことに鑑みて一昨年から全庁的に議論を進め、一気に進めることにしたという経緯です」(同市環境局環境エネルギー課)
ちなみに市民に馴染み深い施設として札幌エルプラザ(北区)や手稲区体育館、里塚斎場(清田区)も蛍光灯のままで、膨大な数がある街区公園のトイレも多くがLED化されていないという。
市は今回のLED化をESCO事業(Energy Service Company事業)に位置付け、最終的に省エネルギー効果による電気代の削減額を原資にして費用を賄う方針。市有施設を3つのブロック(①文化・福祉施設ほか、②市民利用施設ほか、③スポーツ施設ほか)に分けて重複して応札できない仕組みを取っている。いずれにしても自治体が発注する照明関係の工事として有数の規模と言っていい。
今回、この一大プロジェクトで“門前払い”の扱いを受けたのが株式会社あかりみらい(本社札幌市・越智文雄社長)だ。これまで同社は道内外の自治体が手掛けるLED化についてコンサルタントの役目を果たし、数多くの市町村のLED化工事を受注してきたことで知られる。コンソーシアムを組んでリースを活用する事業提案に長けており、昨年には富山県の高岡市でも10億円を超えるプロポーザル入札を地元リース会社と組んで落札した実績がある。