
連携協定締結式に臨むホクノーの野地秀一社長(右)と健康科学評価アカデミーの濱野裕章社長
(4月20日午前、ホクノー健康ステーション)
| 少子高齢化などの社会課題に真正面から向き合い、地元住民の健康増進を目指す取り組みに長年力を入れている食品スーパー・株式会社ホクノー(野地秀一社長・本社札幌市厚別区)が、このほど株式会社健康科学評価アカデミー(濱野裕章社長・本社岡山市)と連携協定を締結した。食品やサプリメントの効果と安全性を臨床研究で可視化する岡山大学発ベンチャーの同社がホクノーに協力を依頼する形で実現したもので、ホクノースーパー中央店2階で展開している「ホクノー健康ステーション」の利用者を対象に実施される予定になっている。地元の高齢者を元気にするホクノーの取り組みが全国的に評価される中、その活動がまたひとつ広がりを見せた形だ。今回の連携協定の内容や意義をレポートする。 |
今回の連携協定締結式は4月20日午前、ホクノースーパー中央店2階の「ホクノー健康ステーション」で行なわれ、ホクノーの野地秀一社長と健康科学評価アカデミー(以下健康アカデミー)の濱野裕章社長がサインした協定書を取り交わし、今後の協力を誓った。
今年1月に設立されたばかりの健康アカデミーは、岡山大学発ベンチャーとして大学の研究力やデータ解析力、薬学部ネットワークを強みに健康食品やサプリメントの臨床試験受託事業などに取り組んでいる企業。簡単に言えば、メーカーが開発した健康食品やサプリを実際に多くの人たちに試してもらい、その後の健康に対する寄与を医学的なデータで数値化してメーカー側にフィードバックする会社ということになる。
「この事業の実証フィールドとして全国の中から選ばれたひとつが、札幌市厚別区のもみじ台団地にある当社のホクノー健康ステーションということになります」(同社ヘルスケア・ウェルフェア室長・小熊祐介氏)
同社では地域の著しい高齢化に対応すべく、もみじ台ショッピングセンター2階にあったかつてのゲームコーナーを2017年から一新して「ホクノー健康ステーション」を開設。広いスペースを利用し、インストラクターなど専門家の指導による体操や太極拳、ヨガなど高齢者の人々でも参加しやすい無料の運動講座や文化教室などを毎日開催している(土日を除く)。健康ステーションの1週間分のメニューのほか、地域のイベントやセミナー、交流会などを案内する告知スペースも置かれている。
地域住民の運動やヘルスチェックの場、孤立化などを防ぐ交流の場、そして地元情報の掲示板的な役割も兼ね備えているのが「ホクノー健康ステーション」で、利用者数は毎日延べ100人以上を数える。
いわば買い物を核にした高齢者の暮らしにおける交差点である、このスポットを健康アカデミーが注目する理由は容易に想像できるところだ。同社は今回の連携協定にあたり、ホームページなどで次のようにコメントしている。
「今回の連携の大きな特徴は、単なる研究の委託・受託にとどまらず、ホクノー健康ステーションを拠点として、新札幌地域の健康増進を地域住民とともに進めていく取り組みである点です。住民の皆さまが研究に参加することにより、自身の健康状態を知り、行動変容につなげる機会の創出が期待されます。
また、ホクノー健康ステーションがこれまで培ってきた健康施策や実証の取り組みと連動することで、地域全体の健康づくりのさらなる推進を図ります。さらに、本地域で得られた成果を、将来的には他地域にも展開可能なモデルケースとして確立していくことを目指します」
もとより地域住民の健康寿命増進を目指すホクノーの取り組みは、経済産業省、厚生労働省といった国の省庁も成功事例として認めており、2024年12月には厚生労働省とスポーツ庁が主催する「第13回健康寿命をのばそう! アワード」で厚生労働大臣 優秀賞を受賞した。
健康寿命の増進をはじめ人口減少、少子高齢化社会における地域おこしの在り方を学ぼうと、自治体や企業の視察も後を絶たない
人口減少・少子高齢化の問題を抱える全国さまざまなまちの将来像、あるいは日本全体の未来の姿とも言われている、もみじ台団地の現状。今回の動きがまちの活性化と住民の健康に少しでも繋がっていくことを期待したい。