新人国税職員殉職・遺族の告発
「息子に何があったのか」

2026年05月号

真面目で正義感が強かったという大島泰輔さん――幼いころからサッカーや剣道に親しみ、ボーイスカウトで鍛えた料理の腕は玄人はだしだった
(札幌市内)

釧路税務署で若手税務官が自殺
パワハラ認定・公務災害不認定


本誌などが折に触れて伝えている過労死・パワハラ死問題で、また新たな被害があきらかになった。上司のハラスメントなどを苦に自ら命を絶ったのは、道内の税務署に勤務していた若手職員。遺族の公務災害申請では、パワハラの事実が認められつつ公務災害そのものの認定は退けられた。異議申し立てにより当局の再調査が続く中、遺族が初めて声を上げたのは、ひとえに同じ被害の再発防止を願うためにほかならない。

取材・文=小笠原 淳

「これから社会へ出る人に同じ思いをさせたくない」


 3月18日午前、札幌市内。
「私たちがこうやって記者会見をすることで何かが動いてくれるかもしれない――。そう思って、名前も顔も公開することを選びました」
 札幌市の大島久代さん(55)は、報道陣を前に決意を語る。次男・泰輔(たいすけ)さんが24歳で世を去ってから、丸4年。カメラの前で初めてその経緯を明かしたのは、同じ職場で同じ不幸が繰り返されることを防ぎたい思いゆえだった。
「泰輔の自殺の原因を知りたい、パワハラを行なった人たちにはちゃんと罪を償って貰いたい、これから社会へ出ていく人たちには同じ思いをさせたくない…。私たちの願いです」
 釧路税務署に勤務していた泰輔さんが自ら命を絶ったのは就職3年めの春を迎える直前、2022年3月29日のことだった。

亡くなった1か月後には「パワハラが原因」との匿名告発が国税庁に寄せられていたことがわかっている
(当局が遺族に開示したメール文面の出力紙)

道新で不審死か
地元紙で拡がる社内不信

釧路税務署で若手税務官殉職

ヒグマ裁判でハンター勝訴確定

和解成立で真相遠のく
「旭川いじめ凍死事件」

大島久代さん(左端)ら遺族の代理人を引き受けた島田度弁護士は「上司が泰輔さんになりすまして知人女性に不適切なメールを送るセクシュアルハラスメントもあった」と指摘した(3月日18日午前、札幌市内)

亡くなった1か月後には「パワハラが原因」との匿名告発が国税庁に寄せられていたことがわかっている
(当局が遺族に開示したメール文面の出力紙)

大島久代さん(左端)ら遺族の代理人を引き受けた島田度弁護士は「上司が泰輔さんになりすまして知人女性に不適切なメールを送るセクシュアルハラスメントもあった」と指摘した(3月日18日午前、札幌市内)

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