北海学園大学の宮入隆教授に「外国人材の現状と課題」を訊く
社会の維持に不可欠として受け入れ体制の整備が急務

「外国人材なしに北海道の一次産業は成り立たない」と指摘する宮入教授
(みやいり・たかし)1972年長野県出身。北大大学院農学研究科生物資源生産学専攻博士後期課程修了。博士(農学)。専門は農業経済学、農業市場学、農産物流通論。北海道農業を主対象として産地や流通、農協組織の課題を研究。外国人材受け入れなど労働力不足の実態分析も行なう。「北海道農業における特定技能制度の多面的活用の実態と課題」(農業経済研究)など論文多数。53歳
外国人材の支援は自治体の大きな責務
北海道は日本の農業基地──。道内のそんな役割は全国的な米不足などの影響でさらに強まりそうだ。米の増産や農業の付加価値化が叫ばれる一方、懸念されるのが労働力の確保だ。牧場や畑などの現場では高齢化などにより働き手が不足し、代わって外国人労働者が急増している。その数は道内で現在約6千人。水産加工や介護分野などを含めた全業種では4万人にものぼる。だが、彼らの受け入れ態勢の整備は、まだ道半ばだ。農業をはじめとする北海道における外国人材の現状と課題とは何なのか。道内各地の事例を交え、農業経済論が専門である北海学園大学経済学部教授の宮入隆氏(53)に訊いた。
(8月6日取材 ジャーナリスト・岡野 直)
|北海道農業で深刻な労働力不足
即戦力に対応する特定技能ビザ|

道内の外国人労働者数の推移(北海道労働局発表)。24年に初めて4万人を超え、そのうち約6千人が農業関係に従事している

浦河町の「桜まつり」で踊りを披露するインド人の女性
 
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