勇退する浦河・池田拓町長に「私の4期16年」を訊く
進めた外国人や障害者との共生
競走馬の里に不可欠なインド人

2025年10月号

「町民の協力で4期を全うできた」と語る池田町長(浦河町役場の町長室)

(いけだ・ひらく)1951年10月18日えりも町生まれ。77年和光大卒。同年浦河町役場に奉職。町民課長、教育委員会管理課長などを歴任し2005 年に退職。09年町長選に立候補し初当選。以後連続当選し現在4期目。73歳

日本を代表するサラブレッドの生産地で「優駿のふるさと」として名高い日高管内浦河町は、精神障害者のコミュニティ「べてるの家」でも知られ、近年は夏イチゴの産地としても注目されている。この浦河で4期16年にわたり町政を担ってきた池田拓町長(73)が任期満了に伴う町長選(11月25日告示、30日投開票)への不出馬をこのほど表明した。勇退の節目に当たり本誌のインタビューに応じた池田町長は、「競走馬の育成においても外国人労働者の活用が進んでいる。次の町政でも外国人やハンディを持つ人との共生に力を入れてほしい」と願いを込めた。

(8月20日取材 工藤年泰・武智敦子)


「べてるの家」と町民が交流してきた歴史は浦河の財産


 ── 7月30日にロシアのカムチャッカ半島付近で起きた巨大地震の影響で、北海道の太平洋沿岸などに津波警報が発令されました。
 池田
 今回の津波警報が発令された日は、東京出張中だったため町の職員が避難指示に当たりましたが、幸い被害は出ませんでした。
 ご存知のようにこの地域は地震が多く、私も震度6以上を何度か経験しています。2011年の東日本大震災の際には高さ2.8メートルの津波が来て、港に停めていた車が流されるなどしました。
 ──襟裳岬の緑化をテーマにした映画『北の流氷(仮題)』の製作中止が7月下旬に決まりましたね。
 池田
 10年ほど前から浦河町、えりも町、様似町、広尾町の4町が地域の活性化を目指して企画していただけに残念です。
 4町などで「北の流氷製作準備委員会」(大西正紀委員長=えりも町長)を立ち上げ、企業の協賛金やふるさと納税、寄付金などで約3億8千万円を集めました。しかし製作費が想定よりも高くなることが予想され、無限責任という形で自治体が出資するのは難しいとの判断から、今回のスキームでの製作中止という苦渋の決断に至りました。
 ──浦河出身の田中光敏監督がすでに何年にもわたりフィルムを回し、ある程度ストックができていたとか。
 池田
 脚本やキャストも決まり「明日からロケだ」という時だったので本当に申し訳なく思います。ただ田中さんは国際的に活躍している映画監督であり、諦めずに製作、公開に向けて努力されると思います。私自身もできる範囲で監督をしっかり支えていきたい。

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