“核のゴミ”レポートPART45「概要調査」の申請の前に立ちはだかる寿都町内の地質問題
“新知見無視”のNUMO

寿都町の住民グループが開いた見学会で、教育大名誉教授の岡村聡さんから寿都の地質の成り立ちを学んだ(2022年6月)。町内を広く覆う「磯谷溶岩」の存在がNUMOによる概要調査への移行の前に立ちはだかる
「磯谷溶岩」は喉に刺さったトゲか
概要調査前にどうなる寿都町長選
“核のゴミ”最終処分地の選定に向けた「概要調査」に着手したい事業主体のNUMO(原子力発電環境整備機構)にとって、喉に刺さったトゲのような存在が後志管内寿都町内を広く覆う火山噴出物「磯谷溶岩」だ。国が定めた処分地候補の選定要件では、地質年代が第四紀の火山の中心から15キロ圏は不適地とされている。昨年来、地質学者の岡村聡さん(道教育大名誉教授)らは磯谷溶岩が第四紀火山とする新知見を論文にまとめて関係する学会などで発表し、概要調査への移行に固執するNUMOの動きに一石を投じてきた。それらの経緯をふり返りながら、地層処分政策の矛盾点や寿都町長選の動向などを紹介する。
(ルポライター・滝川 康治)
磯谷溶岩の新知見に目を背け「概要調査」に固執する事業者

(おかむら・さとし)1953年、空知管内浦臼町生まれ。84年、北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程退学。理学博士。同年から34 年間、北海道教育大札幌校で教育・研究に従事。2018年から道教育大名誉教授

寿都町が「概要調査」などの是非を問う住民投票を実施するのはいつのことか……

道民との直接的な質疑を避けた「文献調査報告書」の説明会(昨年12月、札幌市内で)
 
寿都町が「概要調査」などの是非を問う住民投票を実施するのはいつのことか……
 
(おかむら・さとし)1953年、空知管内浦臼町生まれ。84年、北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程退学。理学博士。同年から34 年間、北海道教育大札幌校で教育・研究に従事。2018年から道教育大名誉教授
 
道民との直接的な質疑を避けた「文献調査報告書」の説明会(昨年12月、札幌市内で)
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