2024 道東・根室特集
石垣雅敏市長に訊く
困難な時にこそ創意工夫と熱意で“地域みがき”に邁進

2024年02月号

北方領土返還運動の広がりに向け決意を新たにする石垣市長

成し遂げる水産都市・根室の再興

ロシアとの関係悪化で北方領土返還交渉が暗礁に乗り上げ、人口減や看護師不足に悩まされても石垣雅敏市長は前を向くことを忘れない。故郷の根室をこよなく愛し、一介の職員から市のトップとなった72歳は「水産都市・根室の再興」を掲げて2期目をひた走っている最中だ。2022年度実績で寄付額全国3位と9年連続最高を更新したふるさと納税、新型コロナの5類への移行に伴い各種の祭りが復活するなど明るい話題もあるが、ウクライナ戦争や中国の禁輸措置といった国際情勢を受けて一次産業が危機に陥るなど新たな課題も生まれている。このような中で市政をどう舵取りしていくのか──。「困難な時にこそ職員と力を合わせ、地域にみがきをかける」と語る石垣市長に胸の内を訊いた。

(12月19日取材 工藤年泰・佐久間康介)

|地域にようやく戻ってきた活気 一次産業は国際情勢でダメージ|


 ──コロナ禍が明けた形となり、まちに活気が戻ってきましたね。
 石垣
 2023年を顧みますと、新型コロナウイルス感染症が2類から5類相当に移行し、社会経済活動の正常化に向け市民生活の不安を少しでも解消し、1日でも早く日常を取り戻したい──そんな思いで各種政策・支援策に取り組んだ1年でありました。
 そのような中、「根室かに祭り」(2日間で1万2500人が来場)や悪天候のため1日のみの開催となってしまいましたが、「根室さんま祭り」(去年の8100人を上回る1万1000人が来場)、北海道三大祭の「金刀比羅神社例大祭」などが行なわれ、根室の元気が戻ってきたことを大変うれしく思っています。
 ──一方、全国的にあらゆる物が値上がりし、国際情勢で一次産業がダメージを受けた年でもありました。
 石垣
 ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、資材や燃油価格の高騰などさまざまなものの価格が上昇し、私たちの生活をはじめあらゆる業種業態に影響が及んでいます。
 当市を支える基幹産業、漁業では主力魚種の「さんま」が依然として厳しい状況が続いていることに加え、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国による日本産水産物輸入の全面停止の影響を受ける事態となりました。
 また酪農業では、飼料・肥料価格の高騰によるコスト増大など厳しい情勢による経営の悪化が懸念されており、高齢化や人口減少による影響、農地の利用方法も含め地域農業をどのように維持・発展させていくのか、その対策が重要になってきています。
 市中経済の回復、安心した暮らしの実現、次世代を担う子供たちに希望を添えて地域を引き継いでいくためにも、沖合漁業の堅持はもとより、種苗放流や養殖事業をはじめ、持続可能な漁業の実現に向けて「つくり育てる漁業」を推進し、真に強い「水産都市・根室」の再興を図らねばなりません。同時に農林業、観光、商工業などを加えた足腰の強い経済基盤を確立し、持続可能なまちづくりに一層努めていくつもりです。

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(2023年5月24日、花咲港の港内で)

松野官房長官(当時)との面談では元島民の思いに寄り添う取り組みを訴えた
(同12月1日、首相官邸で)

北方領土問題の存在を全国で訴えるキャラバン隊に石垣市長も参加
(同10月11日、新宿駅西口)

現庁舎の隣で姿を現してきた市役所新庁舎

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