カブトデコムの“億ション”「パームヒル藻岩」の出火疑惑を追う
誰もいない、火の気もない部屋から出た不審火の正体

2023年08月号

バブル時代の雰囲気を色濃く残す「パームヒル藻岩」
(札幌市南区川沿地区)

札幌市南区川沿地区にある藻岩山。そのふもとにひときわ目立つピンク色の建物がそびえている。かつてのバブルに踊った建設会社カブトデコムが建てた超高級マンション「パームヒル藻岩」だ。さる4月初め、このマンション最上階の一室で不審火騒ぎが起き、消防や警察が大挙して出動する出来事があった。誰もおらず、火の気もないはずの部屋で、なぜ火の手はあがったのか──。

(本誌編集長・工藤年泰)

闇の中の出火原因


 事件の舞台「パームヒル藻岩」は、バブルの夢に列島がまだ酔いしれていた1987年9月に完成。売り出された40戸をカブトデコムの身内企業や東京の企業などが投機目的で購入したが、入居は数戸だけだった。カブトの当時の社長として一世を風靡した佐藤茂氏も最上階に部屋を所闇の中の出火原因有し、住んでいたこともあったとされる。
 北海道として「億ション」の先駆けになった売り出し時の中心価格は1億円から1億5千万円。だが、ほどなくしてバブルは崩壊。投資企業は資金に行き詰まり、担保のマンションは債権者の金融会社などに押さえられ、価格は大幅に値崩れしていくことになる。
 だが奇しくもこの値崩れが結果として人が住むための売買を復活させていった。築36年が経過しているものの都心部へのアクセスや眺望の良さ、バブル期ならではの豪華なしつらえもあって現在は、ほとんどの部屋が居住者で埋まっているという。
 今回、不審火騒動に巻き込まれた企業経営者Aさんも20年ほど前から区分所有者になったひとりだ。

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